2006-02

上野歩の著書

ふれあい散歩 じんわりほのぼのエッセイ

なにかにつけて「うれし~」というのが僕の口癖らしい。週末に自分で掃除したての一番風呂に浸かると、「ふー」という満足のため息とともに「うれし~」の声が出る。干したての布団にくるまると、足をばたばたさせて「うれし~」。朝、カーテンをあけて、晴れでも、雨でも、そこに空があるだけで「うれし~」。なんでも「うれし~」と感じること、それは僕の数少ない取り柄なのかもしれない。 おとなになると、毎日がハレの日ばかりとはいかないのが人生である。それでも、「うれし~」と感じるちいさな出来事があれば、むしろそうしたことをどん欲に発見してゆくことで、日々の色合いはかわってゆくのではないだろうか。(「あとがき」より) 味があって、少し懐かしくて、あたたかいお話がたくさんつまった初のエッセイ集。 上野家の食卓レシピ集付き。