上野歩の著書

上野歩の著書

キリの理容室

神野キリ、20歳。夢は理容師になって人気店を開くこと。 カットが下手なキリは、千恵子が一人で切り盛りするバーバーチーで修業することになるが、雑用ばかりの毎日。幼なじみの淳平は毎日のように実家に来るし、理容学校の同級生のアタルの存在も気になり始めて――。 衰退産業だなんて言わせない、床屋さん業界に理容女子が革命を起こします!(関東甲信越協議会主催第17回髪っぴー大賞受賞作品)
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探偵太宰治

“あわいの館”を訪れた津島修治(=太宰治)は、次々と行方不明事件を解決するが、同時に自分の中の大切な何かを失っていく。それでも、周囲の期待に応えようと奔走する修治だったが、問題ばかり起こしてしまう。心機一転、作家としての成功を目論み、難事件の解決に乗り出すが……。 過ちを繰り返しながらも人々を惹きつける太宰の魅力とは何か。探偵としてさまざまな犯罪捜査にかかわる姿を通じて、人間・太宰治の真の魅力に迫る異色の青春物語。
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鳴物師 音無ゆかり 依頼人の言霊

音無ゆかりは、依頼人の心に巣くう言霊を取り除く「鳴物師」として活躍する18歳。代々受け継がれる能力と、綾瀬、入来のサポートによって、次々と持ち込まれる難題に立ち向かう。しかし、様々な調査を進めるうちに、両親にまつわる悲劇的な過去が浮かび上がる。はたして彼女を悩ませるトラウマの真相とは? そして、音無家に宿る特殊能力の正体とは!?
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墨田区吾嬬町発ブラックホール行き

高校を卒業したばかりの小倉ひかりは、父が勤めていた株式会社ツブラヤ絞に転職した。9歳の時に失踪した父について知りたい、もしかしたら再会できるかもしれないという思いからだ。父は、天才的なヘラ絞り職人だった。ヘラ絞りに夢中になったひかりは めざましい上達を遂げ、テレビに出演。番組の中で旋盤職人の剣拳磨と対決する。さらには、宇宙の謎の解明につながる最先端プロジェクトへの参加の依頼までが舞い込む。父親との再会は果たせるのか?  思いもよらない衝撃の真実が、ひかりを待ち受ける!
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わたし、型屋の社長になります

広告代理店に勤めていた花丘明希子は、病に倒れた父親に替わって、花丘製作所の社長になった。しかし、会社は大幅な売り上げ減で、銀行からは借入金の返済を求められ、融資に駆け回ることに。また、同業者からの引き抜きで、5人の社員が去って行った。 そんな時に、大手の三洋自動車から連絡が入った。いったんは、ライバル企業に発注されていた金型に不備があり、仕事が回ってきたのだ。 しかし、技術的にクリアしなければいけない大きな課題が立ちはだかっていた。 ここまで手を尽くしたのに……なんてそんなものはないのだ。駄目なら、さらに手を掛ける。不可能を可能にするまで。どこまでも。 社員の総力を結集しての努力は実るのか? 若き女性社長のひたむきな奮闘と、製造業に従事する人々の心意気を描いた、町工場エンターテインメント! 文庫オリジナル。
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削り屋

歯学生だった剣拳磨は、親の敷いたレールに逆らって大学を中退し、東京にやってきた。そして、歯学部実習での「削り」つながりで、飛び込みで下町の金属加工会社に就職する。削りには自信のあった拳磨だが、大学でやってきたことが全く通用しなかった。しかし夢中で取り組む内、手作業による削りの仕事が自分に打ち込める世界だと気づく。 やがて、社長に技能五輪全国大会を目指すよう言われた拳磨。そこに、中学の頃から立ちはだかってきた神無月グループの御曹司・神無月純也が現れた。自分の会社から多くの選手を出場させた神無月。拳磨は、頂点に立てるのか。
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鳴物師 音無ゆかり 事件ファイル

若者に大人気の女性シンガーソングライター小鳩アイが、突然大ヒット曲「想い」をまったく歌えなくなった。 そこには、作詞にまつわる親友との悲しい過去が隠されているのだが…… 次々と発生する謎に満ちた事件を、ゆかりは解決することができるのか? そして、彼女の力と血脈にかかわる、忌わしい闇の真相は!? ニューヒロインが挑む、新感覚サイコミステリー!!
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ふれあい散歩 じんわりほのぼのエッセイ

なにかにつけて「うれし~」というのが僕の口癖らしい。週末に自分で掃除したての一番風呂に浸かると、「ふー」という満足のため息とともに「うれし~」の声が出る。干したての布団にくるまると、足をばたばたさせて「うれし~」。朝、カーテンをあけて、晴れでも、雨でも、そこに空があるだけで「うれし~」。なんでも「うれし~」と感じること、それは僕の数少ない取り柄なのかもしれない。 おとなになると、毎日がハレの日ばかりとはいかないのが人生である。それでも、「うれし~」と感じるちいさな出来事があれば、むしろそうしたことをどん欲に発見してゆくことで、日々の色合いはかわってゆくのではないだろうか。(「あとがき」より) 味があって、少し懐かしくて、あたたかいお話がたくさんつまった初のエッセイ集。 上野家の食卓レシピ集付き。
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愛は午後

1冊の詩集を残し、自ら命を絶った林りんは伝説の詩人となった。その息子・リンゴは、姉・かがりへの超えてはいけない感情の一線をまえに困惑する日々を送っている。かがりには少女時代、何者かに誘拐され2日間拘束された過去がある。彼女自身にそのあいだの記憶はなく、トラウマとなっている。姉の肉体への欲望絶ちがたくポルノ小説家となったリンゴは、かがりの空白の時間を埋めようとする。
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チャコールグレイ

それぞれが美しい、鮮やかな色彩の絵の具であっても、それらをすべて合わせると灰色になる。晴れた日曜日の午後、彼女は僕のところにやってきていて、窓をあけて導き入れたチャコールグレイの猫をやさしく膝の上で抱きながらそんなことを言った。前夜に3月の雪が降った北の丸公園で、僕は彼女に最後にもういちどだけ会った。書き下ろし青春小説。