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/ 上野 歩
monthly essay / ueno ayumu

ぴー吉 第197回 日帰りバスツアー(15)〜秋の栗づくし編〜

 激しい嵐が通り過ぎた翌日、どこまでも青い空には、クロード・モネが『日傘を差す女』で描いたような雲が浮かんでいた。
 日帰りバスツアーで、茨城県のかすみがうら市にある果樹園に栗拾いにきていた。
 まずは果樹園の社長が観光バスに乗り込み、栗拾いの説明をしてくれる。
 ひと口に栗といっても、じつに30品種にも及ぶという話にまず驚く。八百屋さんも種類までは把握していないらしい。それで、ブドウだったら〔デラウェア〕や〔巨峰〕、梨なら〔幸水〕や〔二十世紀〕といったダンボールの切れ端に書かれた名札が店先に出てるのに、栗の場合はただ〔栗〕としか出てないワケだ。
「“去年の栗は不作でおいしくなかった”なんていうのは、食べた栗の種類がうまくないんだよ」とのこと。「その点、ウチはおいしい種類しか置いてないかんね」と胸を張る社長であった。
 そのおいしい栗の種類だが岸根(がんね)というんだそうだ。
 しかし、栗の品種名を覚えても、八百屋さんにも見分けがつかないんじゃね……

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