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/ 上野 歩
monthly essay / ueno ayumu

ぴー吉 第187回 南九州紀行

挿絵  年の瀬を九州で過ごすのは2度目のことである。以前、大分の湯布院熊本の黒川温泉を訪ねたのは2年前のことだ。もう2年なのかとも思うし、まだ2年なのかとも感じる。

 お昼は、以前に北海道旅行の際に食べてお気に入りの空弁「いくら石狩鮨」にした。新千歳空港の空弁を羽田で買って、九州に向かう機内で食べた。
 宮崎〜鹿児島をめぐる2泊3日の旅。初日の観光は宮崎で、青島神社と鵜戸(うど)神宮の参拝である。
 思うに神社仏閣というのは、江戸庶民にとってアミューズメントパークだったのではないだろうか。
 熱帯植物に覆われたうっそうとしたジャングルのような小島が青島神社である。島に向かう橋の上から見下ろすと、浅瀬を鬼の洗濯板と呼ばれるワニの体表のような奇岩が取り囲んでいる。
 一方、鵜戸神宮は波に浸食された岩の洞窟の中に本殿がある。
 いずれもさまざまないわれのある旧跡が社殿の周りに点在しており、参拝が非常にアトラクティブである。いにしえの人々はここまで徒歩で旅してきて、お参りし、護符などのグッズを買い込み、その土地の酒やうまい物に舌鼓を打つわけだ。
 まあ、現代人の我々もあまり変わりがないわけだけれど。

 ところで青島神社については、読売ジャイアンツが春に宮崎でキャンプインする際、武運の祈願所でもある。境内には、今年2月に奉納した原監督はじめ選手らの絵馬が飾られていた。
 本殿の朱色は、チームカラーの橙魂(とうこん)そのもので非常に霊験あらたかである。……と見えるのはファン感情か。

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