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/ 上野 歩
monthly essay / ueno ayumu

ぴー吉 第150回 北海道三都ものがたり(後編)〜小樽と艶歌『石狩晩歌』

・2日め
写真  露天風呂に浸かり、部屋にもどって朝飯まえの水割りを啜っていたら、窓のすぐそばにある梢まで名前の知らないヒヨドリほどの大きさの野鳥がやってきてさえずっている。
 部屋に来ていた道新の朝刊を広げる。相変わらずサンマ不漁のニュース。甲子園は準決勝。ジャイアンツは3位に転落。

 朝食にノンホモ(脂肪無均質)牛乳が付いてきた。これも北海道っぽい。フタの裏にクリーム状になったミルクがたっぷりと付着している。厚いビンのふちに口をつけて牛乳を飲むのは久し振りのことだ。濃ぉ〜い味を堪能する。
 夕食もそうだったが、朝食にも肉類がいっさい出ない。でも、プレスハムなんかぺろんと出されるよりよっぽどいい。朝も夜の膳も量がほどほどであるのもいいと思った。夕食でそう感じたのは揚げ物がないからだろう。

 石川啄木が愛した大森浜から水平線を見晴るかす。きょうも津軽海峡はおだやかだ。
 天気予報によると、この日の函館の最高気温は29度。朝から陽なたに立つと暑い。

 名物の朝市に行く。
 市場は、きのう特急白鳥で到着した函館駅前に300店舗ほどが軒を連ねている。
 醤油漬けのイクラ、タラバガニなど、宿で朝飯を食べたばかりなのに味見する。

 七飯(ななえ)の昆布館に移動して、仕事場で食べるお弁当用の昆布のふりかけを買い、大沼国定公園へ。
 馬のとんがった耳から尻尾へとなだらかな稜線を描く活火山・駒ケ岳の噴火により形成された大沼と小沼から成る公園である。
 ここでモーターボートに乗った。以前、琵琶湖で取材のために乗ったジェットボートには及ばないが、けっこうスピードを出す。

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