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挿絵
2011 上野亭店主口上 BACK NUMBER

>2011.12

挿絵

グッドイヤーウェルト製法の内羽ホールカットを、底の張り替えに出しました。ワンピースのアッパーのチェスナットカラーが、爪先に向かってワックスで濃いグラデーションを描いていて、「イイ感じに履き込んでますね」と職人さんに褒められました。
その後、東京女子医大病院に腰の治療で入院中の親戚を見舞い、快復振りを喜ぶとともに、往き帰りにはスクラッチタイルの古い1号病棟を抜かりなくチェック。そのまま近くの小笠原伯爵邸を目指しました。この東京都選定歴史的建造物は、現在、スペイン料理のレストランとなっているのですが、以前、食事をした際に見逃していた意匠を確認したかったのです。
西洋館には不似合いな、壁の隅にある和テイストの猿のレリーフ。それは、鬼門除(きもんよけ)のおまじないです。鬼門=丑寅と反対方向が申(さる)であるためとか、江戸の鎮守・日枝神社の神様のお使いが猿だからと諸説あるようです。
帰路、地下鉄の階段を下りながら、いろいろあった1年を振り返りました。 〈上野 歩〉

>2011.11

挿絵

先頃刊行した『鳴物師 音無ゆかり 事件ファイル』について、もしもドラマ化されたら、どんな配役を想定していますか? と訊かれることがよくあります。
誠に僭越ながら、僕は次のように夢想しています。

音無ゆかり:武井咲さん
綾瀬恭一郎:阿部寛さん
入来亮:亀梨和也さん

どうです? 豪華でしょ。
いや、あくまで著者の勝手な思いですよ。

>2011.10

挿絵

重版出来――「じゅうはんしゅったい」と読みます。増刷した書籍が出来上がったという意味で、たいへんおめでたい言葉であります。
おかげさまをもちまして『鳴物師 音無ゆかり 事件ファイル』重版出来でございます。

>2011.9

挿絵

ニューヒロインが活躍する新感覚サイコミステリー『鳴物師 音無ゆかり 事件ファイル』を10月1日に文芸社より刊行いたしました。もしも本屋さんで眼に留まりましたなら、お手にとって頂ければ幸いでございます。そして、そのままレジまで持って行って頂けたなら、なお幸いでございます。

>2011.8

挿絵

仕事で前橋に出かけました。ちょうど良い時間のリゾート列車があったので、仕事先に頼んで切符を用意してもらいました。座席指定を見たら「C」。窓側を好むウエノは、出発前にみどりの窓口で替えてもらおうとしました。すると、「窓側の指定になっていますね」と係の人も不思議そう。

ホームに入ってきた、こげ茶とウグイスのツートンカラーのジョイフルトレインを見てビックリ。乗車して、またビックリ。座席は、2人掛け(A・B席)と通路を挟んで1人掛け(C席)、1列3席のゆったり仕様。窓に合わせた座席幅は、国際線のファーストクラスや東北新幹線はやぶさグランクラスと同等とか。先頭と最後尾の展望室はもちろん、畳敷きの和風ミーティングルームや、キッズルームなどのフリースペースを備えた、この夏デビューしたばかりのリゾートやまどりに偶然乗り合わせる幸福に浴したのでした。

>2011.7

挿絵

名古屋を過ぎて雨が上がりました。岐阜の山々に白い霧がたなびき、澄んだ青空が広がります。そんな風景を車窓の向こうに眺めつつ、僕は弁当の包みを開きました。
新幹線でのお昼は、東京駅で買う深川めしという駅弁がもっぱらでした。でも、グランスタという駅ナカがオープンしてからは、選択肢がいろいろと増えました。山椒のきいた付属の七味唐辛子と相性がばつぐんの鳥麻のほかほかの親子丼(700エン)もいいし、豆狸(まめだ)のおいなりさんもいい。
あれもこれもと優柔不断な僕は、まい泉の玉手箱(651エン)にしました。ヒレかつサンドが3つ、鉄砲巻きが2つ、いなり寿司が1つ、高野豆腐と竹の子、シイタケなどの煮物も添えられています。かつサンドと海苔巻きのコラボというのがふるってますね。箸休めの甘酢ショウガがパック入りされてるという念の入りようです。

>2011.6

挿絵

東京駅で新幹線に乗り込んだら、隣で発車を待つ700系が修学旅行の臨時列車でした。中学生たちがリクライニングシートの背もたれを倒したり、起こしたり、デジカメで写真を撮り合ったりしてるのが窓越しに見えます。1両編成に複数の学校が乗るらしく、グリーン車に割り当てられる生徒も(生意気な)。
僕は素直な子どもじゃなくて、遠足の観光バスでは、「窓際に座りたい」って言えず、いつも並んだ子に譲ってたんですね。素直なおとなになったいま、仕事の出張の乗り物はいつも窓際を指定します。もちろんきょうも。

>2011.5

挿絵

自分の家の近くに好きな小料理屋があって、そこで湯豆腐や冷奴なんかで酒を飲む。時には家族といっしょにその小料理屋へ行く。それが街に住むことだ、といったようなことを故・山口瞳氏が書いています。僕にもそんな店があって、それをとても幸福に思います。駅前商店街のはずれにある小料理屋さんで、おなじ商店街にある魚屋さんと経営がいっしょのようです。ですから新鮮で珍しい魚を味わえます。
川エビの唐揚げでビールを飲んで、冷酒の肴に、本日のおすすめのアジの刺身をもらおうとすると、脂ののった鹿児島産と、さっぱりめの三崎産を盛り合わせて味をくらべさせてくれたりします。お鮨を握ってもらえるのもこのお店の魅力。お酒の締めくくりに、貝を2つ3つ握って、なんてことも言えます。

先日、カウンターで飲んでいると、店じまいした魚屋の若い衆がやってきて、「これ、珍しいからウエノさんに食べてもらって」と、携えてきた小笠原産のキマダラヒメダイをお造りにしてもらいました。しょう油をつけずに味見したら、薄っすらと甘みのある上品な白身でしたよ。

>2011.4

挿絵

近所の小学校にある桜の樹の幾本かに〔新校舎建築工事に伴う移植が困難なため6月で伐採されます。〕というプレートが掛かっていました。見納めなので、満開の花をよく愛(め)でてください、ということなのでしょう。
我が家のあるマンション8階のエレベータホールから、ピンク色の霞が校庭を取り囲むのが見渡せる、よい花を咲かせる桜の樹です。風に乗り、花びらがここまで舞い上がってくることも……
惜しい、寂しい、という思いとともに、ことしの桜を見ることなく亡くなった多くの方々を悼む春です。

>2011.3

挿絵

池袋から山手貨物線と東北貨物線を走る湘南新宿ラインで大宮まで出かけました。仕事を終え、帰ろうとしたら、ちょうど札幌行きのカシオペアが入構してくるところで、その姿を見ようとあわてて跨線橋を引き返しました。
この日の寝台特急カシオペアは、客車に合わせたシルバーメタリックではなくブルーの北斗星色の電気機関車に牽引(けんいん)されていました。
ダイニングカーではディナータイムがはじまっているようで、ワインとともに食事をたのしんでいるひとの姿も窓越しに。
寝台車は見ているだけで旅愁を誘われます。
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よろしければ、コチラもご覧ください
〈おいしいエッセイ〉
第85回カシオペアの旅(前編)
第86回 カシオペアの旅(後編)
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>2011.2

挿絵

暦の上では春。しかし、一年でもっとも寒いのがいまの時期かもしれません。そして、この冬の寒さは格別で、ほんとうの春を待つ気持ちもひとしおです。
それでも、近づく次の季節の気配はそこここに感じられます。近所のお寺の参道の梅並木も、毎朝、一輪、また一輪と開いてゆきます。
しかし、春を心待ちにする気持ちとはべつに、いまの時間をしっかりと生きることも大事にしたいものです。

>2011.1

挿絵

大晦日発の夜行バスで元旦は伊勢神宮に初詣。二日、三日はテレビで駅伝を眺めつつおせちで屠蘇(とそ)。四日は池袋で映画(時代劇!)を観た帰りデパートの食堂街に寄り、天ぷらでヱビスを1本。と、正月らしい正月をすごしました。
さて、どのような1年になりますか。
新たな挑戦も考えております。
ことしもよろしくお願いいたします。

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