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/ 上野 歩
monthly essay / ueno ayumu

ぴー吉 第120回『ぴー吉2世とミカン』

挿絵  拙著『ふれあい散歩 じんわりほのぼのエッセイ』(郵研社)のなかで、毎年、冬になるとベランダにやってくるヒヨドリについて書いている。
 『ぴー吉のこと』と題したエッセイである。

 ヒヨドリは、11月の終わりごろにさいしょに姿を見せ、巷にエサがなくなる1〜2月は頻繁に飛んできてはベランダにあるヒメリンゴの赤い実をつついている。
 ヒメリンゴの実は、以前は肉料理のソースにつかっていたのだけれど、いつのころからか、ヒヨドリのために枝に残しておくようになった。
 確定はできないが、毎年やってくるヒヨドリはおなじ個体であるらしく、僕ら夫婦は、ぴー吉と名づけて、年ごとに馴れ親しんでいった。
 ヒメリンゴの実がなくなると、ミカンを出してやる。
 そうして、いつしかぴー吉は、ミカンを持った妻がベランダに出て行っても、逃げずに平気で手すりの上にとまったままでいるようになっていた。

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